研究を進める原動力:ラボミーティングへの心構え

meeting 大学院生活

研究室に入ると、定期的にミーティングをする機会があるかと思います。
教員からルールの提示がある場合はそれに従えばいいでしょう。
それに対し、ただ時間が設けられているだけということもあります。

その場合はただ何となくやってしまっている人もいるのではないでしょうか。
「今日、ミーティングなの忘れてた!」と開始直前にバタバタしているという光景も見ます。
(↑それはそれでスケジュール管理などの問題もありますが…)

しかし、工夫次第では短時間で効率良いミーティングにできると考えます。
成果が素晴らしい人はアイデアやテーマがいいのではなく、こういった地道なことを厭わずやってきたからでしょう。

ここでの話はあくまで生化学・蛋白質化学の研究室にいた私の見解です。
分野によって慣習は大きく異なるでしょうから、あくまで参考程度に見ていただければと思います。

ここだけ!

ラボミーティングの役割
実験結果を共有
→良し悪しを判定
今後の実験計画の確認
→条件を修正し、次の方策を立てる

ミーティングへの臨み方
失敗データについても報告
→検討項目を網羅する
実験条件をしっかりとまとめる
→そこは実験者にしかわからない部分がある

なぜラボミーティングが重要か?

まずはそもそもなぜラボミーティングが必要か?の部分をはっきりさせましょう。

研究に関して議論する場というと、研究室内の進捗報告だったり、学会発表があるでしょう。
これらに対し、ミーティングは毎週もしくは隔週と高頻度で開かれることです。
逆にそれくらいないと、間が空きすぎだと思います。

ミーティングの重要な役割は「結果の確認・解釈」と「今後の方策の検討」です。
これがこまめに確認できる機会というのは非常に重要です。
以下で詳しく見ていきましょう。

ラボミーティングの役割(1):実験結果・解釈の確認

まずは当然ですが、最近出た結果を共有します。
そしてその結果が仮説通りだったかどうかという話になるでしょう。

仮説の通りの結果が出た

その結果から学術的に何がどこまで言えるか、意見を求めましょう。
ここではっきりさせると、学会発表の際に食い違うことが防げます。

  • どういうストーリーが描けるか?
  • 蛋白質ならどういう機能がある?
  • どういう現象に関わっている?
  • どういうスキームで動いているか?

そして、また次の疑問・仮説を生むものです。その辺は(2)で述べます。

仮説とは違う結果が出た・系がワークしてなさそう

どの部分が違うか、なぜ違いが出たのか?を考えます。
視点としては以下が考えられます。

  • その違いが実験的なものなのか→試料が変性していないか?
  • 使ったBuffer等が古くなっていないか?
  • 試薬を入れ間違ったりはしていないか?
  • 仮説が違うのか?

ほとんどの実験は何らかの条件の不具合でうまくいかないものです。
それを一つずつ修正していくことで、質の高いデータを出すことができます。

ラボミーティングの役割(2):今後の方策の検討

最も重要なのは次にどうするか?です。
これも今回議論対象となる結果が仮説通りかで変わってくるでしょう。

まず元も子もない事を言ってしまうと、まったく仮説通りにいくことはほとんど無いでしょう。
ですので、設定した小さな目標を達成したかどうかで変わってきます。

小目標が達成された

ある小目標が達成されたのなら、また次の小目標を設定します。
それに向けて、実験を組んでいきましょう。

これだけ書いてもイメージがつきにくいので、具体例で説明してみます。

ある蛋白質について、吸収分光法を用いて酵素反応を追跡しようとしているとします。
最初の小目標としては、「酵素と基質を混合して、吸収を測ることで生成物を追跡できるか」を見ると設定します。

これが追跡できました!よかった!

そうなったら、次の小目標を設定しましょう。
たとえば「基質濃度を何点か振って同様に測定し、速度定数を算出する」と設定できます。

実験がうまく行かなかったら

先ほどの例で、うまく行かなかった場合を考えてみましょう。
吸収を測定しても、思うように生成物のピークが出ませんでした。

この場合は、なぜできなかったかを踏まえて、実験内容を改善します。

たとえば

  • 基質や酵素の濃度(比)が適正か?
  • 反応条件が適切か?

といったところを考えます。

私が考えるミーティングへの臨み方

以上の点を踏まえ、どのようにミーティングに参加するといいかを考えます。
ただ参加して、結果を見せる、相手の反応を待つではいい時間とはなりません。

ミーティングは対話、しかも相手は超忙しい大学教員です。
短く、かつ必要な情報を引き出せるように工夫しましょう。

失敗データも気にせずに出す

よほどの凡ミスでない限り、失敗データに関しても出すようにしましょう。
研究ではいろんな項目をいろんなパターンで試します。
失敗データというのは、討項目のうちの1つを潰すことにつながります。

そもそも実験は失敗して当たり前のものです。
予想通りに進んでしまう研究は、それはそれで面白くないものです。

実験データよりも実験条件をわかりやすく

結果よりもむしろ実験条件をわかりやすくまとめる方がいいと考えます。
新しい実験をした場合は特にこれを意識してほしいです。
これは口で説明されてもなかなか伝わりづらいです。

反対に、結果のスペクトルやグラフなどの見方は、よほど特殊でない限り、教員ならだいたいわかります。

注意は必ずしも最初から説明しなくてもいいことです。
必要なときに説明しやすい資料があると、話し合いがスムーズにいきやすいです。

ポイントは

  • 教員は理論には詳しくても、実験から離れている人が多いので忘れている人も多い
  • どう実験したかはその人にしかわからない→そこに失敗の原因などが潜んでいるかも

ということです。

最後に:とにかく多忙な教員との貴重なディスカッション時間

ミーティングはその道のプロである教員からアドバイスを貰える貴重な時間です。
ここをうまく使うことによって、効率よく研究が進められます。
それが、学会や論文発表にもつながっていきます。

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