実験の自動化・キット化はいいことか?

時間の効率化 オピニオン

研究現場では、実験にキットを用いる割合が多くなっています。
また、生命科学系では馴染みがありませんが、ロボットやAIなんかも流行っています。
いずれは生命科学系にもこの流れが来るのでしょうか。

さて、このような簡易化・自動化には、大学ではいいところ・悪いところ言われます。
その辺について、考えているところをまとめてみます。

キットを使えるところは基本的にはキットを

学生であれば、教育的視点から自分で手を動かしてデータを取るというのはありでしょう。
それでも結果を出してナンボですから、キットでできることはキットを使っていっていいと思います。

実験はどんどん細分化

新規のタンパク質をクローニングし、吸収スペクトルを測っただけでは論文にはなりません。
もっと細かくキャラクタリゼーションし、具体性のあるストーリーを描く必要があります。
そのため、一つの対象に対して、複数の測定手法で研究する場合が多いです。

ところが、一つ一つ実験手法を習得していると、とても時間がかかります。
習得しても多く使わないのであれば、なかなか効率が悪いでしょう。

注意点

何の結果を出したいかをよく考えてから使う
つまり、研究計画をしっかりと立ててから使いましょう、ということです。

また、キットによってハードルが下がったために、気軽に手を出してしまい
「さて実験に用いるか」というところでうまく使えずに袋小路という事になりかねません。
安易に手を広げすぎてしまうことによって研究に一貫性が持てなくなってしまう危険性があります。

自動化もしくはロボット化

機械

既に自動車製造などは自動化されています。
時代の傾向としてどんどん進んでいくと思います。

同じ軌道・速度で刻める

先ほどの研究の細分化というところにも関連していますが、実験もどんどん精度が重要になっています。
細かくなると人が行うことで発生するズレ(ヒューマンエラー)を許容できなくなってきます。
狙った結果かヒューマンエラーを判別するためにはより正確な機械に任せるべきです。

研究者自身のライフスタイル改善

特に生命科学系の実験は時間がかかります。
例えば、細胞の増殖速度に実験を合わせなければなりません。

また、実験も待ち時間が長いものが多く、どうしても実験の負担が大きいです。
細切れだと生産的な仕事も効率よく進められません。
これが長時間労働につながっている面はあるでしょう。

女性研究者にとっては、出産などのライフイベントと研究を両立していくことも重要です。
このような労働環境を是正していくためにも必要になってくるでしょう。

最後に:それでも研究の本質は変わらない

色々書いてきましたが、一番大事なことは

研究を進めるのに必要な本質は何を使っても変わらない

ということだと思います。

我々がやることは、結果から自然の摂理を導き出すことのみです。
そのためには、これまでの知に対して真摯に向き合うことです。
日々、鍛錬あるのみです。

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