大腸菌の形質転換のプロトコル、見直してみては?

科学コラム

最近こんな記事を読みました。

大腸菌の形質転換ではヒートショックも後培養もいらない | 酵母とシステムバイオロジー

私は大学時代から、大腸菌の形質転換は何回もやっていますが、なかなか衝撃でした。
自分自身でやったわけではないので、どれほど効果のあるものかはわかりません。

しかし、今まで当たり前と信じて疑わなかった実験手法でも、改善点があることを示唆しており、興味深いです。
簡単ですが、紹介します。

紹介されているプロトコルの概要

従来よく用いられるプロトコルは以下です。

コンピテントセルとプラスミドDNAを混ぜて氷中で30分、ヒートショック42℃・30秒〜90秒、氷上で2分ほど、LBやSOC培地を加えて、37℃・1hr培養、抗生物質入りのプレートに撒く。

うちも概ねこのようなプロトコルに従って、形質転換を行っていました。

しかし、紹介されている方法では

コンピテントセルとプラスミドを混ぜて氷上5分、37℃に温めておいたプレートに撒く

これだけでいけてしまうようです。

抗生物質にカナマイシンを用いている場合は、ヒートショック後に30分以上培養(回復培養)が必要です。
しかし、回復培養がなくてもいい場合があるそうです。

ちなみにアンピシリンのときは回復培養が不要です。
カナマイシンは作用機序が違うため、回復培養が必要であると理解していました。
もし、これが本当ならかなりの時間を節約できることになります。

使っているプラスミド・コンピで確認してみては?

形質転換は細切れの待ち時間が多く発生するので、思考も細切れになりがちです。
この時間をじっくり論文を読んだり、考える時間に回せるのはありがたいですね。

もちろんすべての形質転換がこの方法でできるものではないはずです。

サイズが大きなものなどは、従来通りの手順を踏む必要があるプラスミドもあるでしょう。

ラボで使っているプラスミドはどうなのか、一回確認してみるといいでしょう。
自分だけでなく、これから同じプラスミドを使う後輩の時間も節約することができ、研究室全体の生産性も上がります。

コメント