水素型原子の電子スピン:量子数の整理

無機化学ノート

最近は無機化学、特に原子と分子の化学結合を復習しています。
やはり化学反応を考えていく上で、結合の話は避けては通れないでしょう。
段々内容がクリアになってきたので、少しずつまとめていこうと思います。

なお、普段の記事は「ですます」調ですが、学習内容に関する記事は断定調にしようと思います。

電子軌道を決める量子数

電子は、原子核の周りの空間を占めている。
よく原子核の周りを回っている絵を目にするが、厳密には正しくない。
難しい言い方になるが、あくまで存在確率を規定しているに過ぎない。

どの範囲の空間を占めているかについて規定する必要がある。
この電子が存在する空間のことを軌道という。

軌道を規定する量子数:水素型原子を例に

最も単純なモデルとして水素型原子が使われる。
電子が多くなると、電子間の作用についても考える必要が出てくる。
その作用を排除して考えようというのが水素型原子である。

以下の5つの量子数がある。まずは表で見てみることにする。

表.量子数とその規定する内容
quantum-number

定義のようなところなので、少しわかりにくいところがあるだろう。

量子数の考え方を図で整理

そこで、以下のように図示してみた。

主量子数の同じ殻を電子殻、軌道角運動量量子数を副殻と表している。
ただし、電子角運動量については、固定値のため除外している。


図.電子殻と副殻の関係

よって、以下のようにまとめることができる。
主量子数 n :K殻、L殻というように、原子核にどの程度近い殻かを規定
軌道角運動量量子数 l :(2l+1)個の軌道から成り立つ
磁気量子数 mllに含まれる軌道を区別する量子数
スピン磁気量子数 ms :上向きスピンか、下向きスピンか

最後に:主量子数と電子収容数の関係

よく、主量子数nとすると、その中に電子は2n個収納できるといわれる。
これは量子化学的に記述すると、主量子数が増えると、属する軌道角運動量量子数が1多くなる。
軌道角運動量量子数の1増加は(2l+1)個の軌道の増加を意味するので、指数関数的に電子の収容数が増えることとなる。

量子数による分類は元素の酸化数を考えるのに役立つ。
電子殻と副殻について、図を理解に役立ててほしい。

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