タンパク質の構成要素:20種類のアミノ酸

アミノ酸

タンパク質はアミノ酸が数珠状につながったものである。
「アミノ酸を知ればタンパク質を知れる」というほど単純でも無いが
個々のアミノ酸の性質がタンパク質の機能に重要であることは間違いない。

タンパク質を構成するアミノ酸は20種類ある。
実はタンパク質以外でもアミノ酸は活躍しているのだが、それは以下の記事でまとめている。

アミノ酸は20種類だけではない:アミノ酸誘導体
タンパク質は20種類のアミノ酸の組み合わせでできている。この20種類は「標準アミノ酸」とよばれる。今回は20種類以外のいわゆる「非標準アミノ酸」がある。タンパク質として合成された後に、化学的修飾を受けたり、アミノ酸それ自体が機能を果たすものもある。

アミノ酸はカルボキシ基(-COOH)に隣接する炭素に第一級アミノ基(-NH2)がついている。

アミノ酸としての性質は炭素に結合しているRが何かによって決定される。
Rのことを側鎖といい、それ以外の部分を主鎖と言う。

今回はタンパク質を構成するアミノ酸の性質について、細かく見ていく。

主鎖の性質

まずはアミノ酸の中で共通部分である主鎖に注目する。

カルボキシ基、アミノ基は容易にイオン化する。
生理的pH(7.4程度)ではアミノ基はプロトン化(-NH3+)し、カルボキシ基はプロトンが外れる(-COO)。

酸解離定数(pK)はアミノ基が9.4、カルボキシ基が2.2ほどである。

同一分子中でプロトンを受け渡しができるので、酸としても塩基としても働く両性イオンとなる。
よって、他のイオン性の化合物と同様に、非極性溶媒よりも極性溶媒によく溶ける。

20種類のアミノ酸側鎖

さて、次は側鎖の方に注目する。
まず、20種類のアミノ酸について、側鎖の名称と構造を一覧で見てみることにする。
表には、名称を全部書くのは煩雑なために用いられる、3文字表記1文字表記も併記してある。

(構造式の画像引用:http://altair.sci.hokudai.ac.jp/g5/jikken/mondai/tables/aa.html)

生物化学系、特に酵素反応などを行う研究室では、アミノ酸名と表記・側鎖の化学式を一致させておくことは必須である。
忘れてもすぐ参照できるように、表を近くに貼っといてもいいだろう。

側鎖の分類

側鎖の分類は統一されていないが、極性に応じた3種類の分類が考えられる。

非極性側鎖

非極性側鎖に分類されるアミノ酸は疎水性(水を嫌う)である。
疎水性の大きさ(疎水性度)は、側鎖の炭素数の長さやかさ高さによって変わる。

極性無電荷側鎖

Ser、Thrはヒドロキシ基、Asn、Glnはアミノ基、Tyrはフェノールを持つ。

Cysはアミノ酸の中でも特殊で、メルカプト基が酸化されるともう1つのシステインのメルカプト基とジスルフィド結合によって結合する。

極性電荷側鎖

極性電荷側鎖はさらに酸性アミノ酸と、塩基性アミノ酸に分類できる。

塩基性アミノ酸(=生理的pHで正電荷を持つ)にはLysとArg、Hisがある。
酸性アミノ酸(=生理的pHで負電荷を持つ)にはAsp、Gluがある。

特にHisは側鎖の酸解離定数が中性に近く(6.04)、タンパク質中で中性型とイオン型になれる。
実際に、この2つの型の相互変換が一部の酵素反応に重要な寄与をする。

ペプチド結合

さて、アミノ酸の構造と種類についてまとめてきた。
タンパク質はこれらのアミノ酸の組み合わせによって構成されている。

アミノ酸同士の結合は縮合反応(=水分子がとれて結合する反応)である。

縮合反応の結果生じる結合は、一般的にはアミド結合とよばれる一方で、タンパク質内の場合は特にペプチド結合とよばれる。
タンパク質内の1個1個のアミノ酸を残基という。

ペプチド結合によって作られたタンパク質は直鎖状である。
タンパク質鎖の端っこは、遊離のアミノ基もしくはカルボキシ基が残ることになる。
アミノ基が残った方をアミノ末端(N末端、N端)、カルボキシ基が残った方はカルボキシ末端(C末端、C端)という。
アミノ酸残基の配列を書く場合、「N末端→C末端」の順で書くのが通例である。

最後に:アミノ酸の性質は蛋白質の構造を考えるヒント

この分類はタンパク質の性質を考える際に重要になる。
非極性残基はその疎水効果で周囲の水から遠ざかるように、タンパク質内部に多くある。
反対に極性残基はタンパク質の表面に出てくる傾向がある。

この性質の違いがタンパク質の折りたたみ方(=フォールディング)に影響してくる。
フォールディングは、タンパク質の構造を決める鍵となる。

詳しくは以下の記事を参照してほしい。

タンパク質構造を安定化する「力」
タンパク質は翻訳されて終わりではない。機能を発揮するためには、正しく折りたたまれなければいけない。これをタンパク質のフォールディングという。フォールディングには様々な力が関わってくる。今回はタンパク質の構造を決める力について見ていく。さらに、構造が決まったあとのタンパク質の揺らぎに関しても触れる。

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